賃貸記事

リビンマッチ:家賃請求権を譲渡

将来の家賃請求権は譲渡出来るの?

家賃請求権は、賃貸人が賃借人に家賃の支払いを請求する権利で、その中には支払時期が到来し既に具体的に発生しているものと、まだ到来しておらず今後(将来)発生するものの両方があります。「請求権も財産の一種ですから譲渡できます。改正民法は、既に発生している請求権のみならず、将来発生する請求権も発生前に譲渡できるという改正前から認められていた考え方を明文化しました(466条の6、467条)。

賃貸人Aに1か月15万円の家賃収入があり、その支払時期が毎月25日とします。平成29年10月10日の時点ではまだ同月25日発生分以降の家賃は発生していません。しかし、Aは、たとえば「平成29年10月から5年間で発生する家賃債権はすべてBに譲渡する」という契約を結ぶことで、 将来の家賃債権を譲渡し、その代金を手にすることができるのです。

しかし、たとえば家賃が現在15万円あったとしても、将来そのまま継続するかどうかはっきりしません。賃借人が退去することもあり、次の賃借人が入れ替わりに決まるかもわからないからです。将来発生する請求権には多かれ少なかれこのような性質があります。発生が確実でなかったり、発生可能性が低い請求権を譲渡できるのでしょうか。 「この点について平成11年の最高裁判例があり、最高裁は、債権(請求権)譲渡契約時に債権発生の可能性が低かったとしても、当然に債権譲渡ができなくなるわけではないと判断しました。将来の債権発生の可能性の大小は、債権譲渡の代金をいくらにするかに反映されることになるというわけなのです。譲渡対象となる将来の期間も、3年間分とか5年間分とか法律で定められているわけではなく、譲渡当事者間で合理的な範囲 の期間を決めることになります。

債権が二重譲渡されたら

同じ債権が、Aから、BとCの両方に譲渡された場合は、譲渡人であるAが、内容証明郵便等で、債務者(家賃の場合は賃借人)に、当該債権はBに譲渡した旨通知すれば、その通知に記載されたBがCに優先します(467条)。もしAが、Bへの譲渡も、Cへの譲渡も、両方債務者に 通知した場合は、通知が早く債務者に到達したほうへの譲渡が優先します。この通知等を「債権譲渡の対抗要件」と呼んでいます。

家賃債権を譲渡した後、賃物件自体を他に譲渡したら

AがBに、今後3年間で発生するマンションの家賃債権を譲渡したその2年後に、今度はそのマンションをCに譲渡したとします。この場合、 譲渡された将来家賃が発生し終わる前にマンションの賃貸人が変わったことになります。果たしてBとCのどちらが最後の1年分の家賃を取得するのでしょうか。

改正民法はこの点を定めていません。しかし、上記賃借人への通知等 (債権譲渡の対抗要件)がされた後でマンションを買うのであれば、Cは、家賃が譲渡されているかを通知を受けた賃借人に確認できたといえます。そこで、この通知等とマンションの所有権移転登記の先後により決すべきです。通知が登記より早ければ、最後の1年分もBが取得し、 登記が通知より早ければ、Cがその1年分を取得すると解すべきです。

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