賃貸記事

Mr.リビンマッチが解説する「サブリース訴訟について」

「Mr.リビンマッチ(旧スマイスター)が解説するリビンマッチ(旧スマイスター)・賃貸管理」今回は「サブリース訴訟について」です。

今年2018年に話題となったニュースで、スルガ銀行の不正融資によるサブリース訴訟は大変話題となった問題かと思います。
賃貸の管理、経営をされている方は特に気になったニュースではないでしょうか。自分自身も普段からリビンマッチ(旧スマイスター)を見てたりするので、
とても気になるニュースです。

これは家賃保証(サブリース)を謳っていたシェアハウス物件でオーナーへの家賃が支払われなくなってしまった、という内容でしたが、詳しくは知らないという方もいらっしゃるかもしれません。
今回はこの事件について調べることで、賃貸経営をする上でどういったポイントに注意すべきだったのかということについてのケーススタディとして考えていきたいと思います。

サブリース訴訟詳細

この問題はスマートデイズという会社の物件で起こっているのですが、スマートデイズ社は2012年当初、都内でワンルームをシェアハウスにしてサブリース契約で売り出し始めました。
単身者にとっては都内の便利な立地で一般のワンルームよりも賃料が安い、しかも最低限の家具付きということで当初は入居者も多かったようです。

しかしこういった形態は2013年に国がシェアハウスに対して建築基準法の「寄宿舎」の基準を適用するよう全国の自治体に求めたこともあり、ワンルームをシェアハウスとするのは違法とみなされるようになっていきました。

ここでスマートデイズは新しいサブリース契約の物件をスタートさせます。
それは木造新築のシェアハウス「かぼちゃの馬車」の土地と建物をサブリース契約の物件として売り出すことです。

上場企業のサラリーマンや医者、士業といった高所得者をターゲットに、これも都内限定のシェアハウス、女性専用、家具付き、そして家賃保証を武器にしたものでしたが、前年の勢いもあり投資対象として魅力的に映ったようです。
しかしいくらサブリース契約といっても、実はサブリース業者はオーナーに対して「家賃の減額請求権」を持っており、保証する家賃を減らしていくこともできるため、リスクもあります。
それにもかかわらず最終的に約1,000棟もの数が売れた、ということには何らかの理由があったようです。

当初のスマートデイズのサブリース契約における賃料保証は、入居者が払う金額よりも高額だったそうです。
一体なぜそんなことができたのでしょうか。

表向きの仕組みとしてスマートデイズ側がオーナー側へ行っていた説明を要約しますと、入居者への職業斡旋によって斡旋先の企業から利益を得たり、提携している企業サービスを利用した際の収益など、いわゆる「家賃外の収入でサブリース契約の家賃を保証する」という内容です。

しかしながら実際にはそのような家賃外収入は微々たるもので、ほとんどは建築会社からの紹介料というキックバックを原資としてサブリースするというものでした。

そして謳い文句としては「利回り8%、30年間家賃保証」で営業をして、オーナーには土地の購入やシェアハウスかぼちゃの馬車建設のために、スルガ銀行の融資を受けさせました。

これまではスマートデイズが直接オーナーに土地と物件を売っていたのですが、この段階においてスマートデイズの経営者周辺に、逮捕歴のある人物の存在が融資側となるスルガ銀行に発覚してしまいます。
銀行側がこれを嫌ったことをきっかけに、間に仲介の不動産業者が無数に入ってくることとなりました。

オーナーにとって7,000万円から1億数千万円の負担で建てていましたが、建物自体は5,000万ほどで建築されていたようで、先に述べたような建築会社からのキックバックは数千万円にもなり、かなりの利益が上乗せされていたようです。
またサブリースの賃料保証がこのキックバックで賄われていたため、次々に建物を建てなければならない自転車操業状態となっていましたので、スルガ銀行に仲介する不動産業者もどんどん増えて建物も1,000棟近くまで増え続けていくことになります。

こういった背景から、銀行の融資もかなり緩く、建てることが前提となった審査になった不正融資の疑いが持たれることになりました。
スルガ銀行側の主張としてはオーナーへの融資は最低でも一割の頭金を要求していたとされますが、実際には頭金0でも仲介する不動産業者と結託して融資相手であるオーナー側の預金通帳の残高に関して口裏を合わせ不正に操作したりしていたようです。

融資を実際に受けたオーナーの中には、融資審査のため不自然にネットバンキングを開設させられたり、本人の意向に反して預金残高を実際と違う水増しした金額にさせられたりしたという証言をする方も出てきています。
通常の銀行融資の常識からはかなり逸脱していたようです。

スルガ銀行は通帳の原本にあたることなくコピーで審査を済ませたり、普通の銀行であれば高額の借り入れの際は本店決済が必要なところ、支店に決裁権があったりとかなり異様だったようです。

こうして自転車操業的にかぼちゃの馬車は増え続けていきましたが、当然ながら2015年を過ぎたあたりから入居率は下がっていきます。
それでも仲介する不動産業者は9割を超える入居率であると、虚偽の説明での営業を繰り返していたようですが、最後のあたりの入居率は3割~4割程度だったようです。

最終的な結末としては、スルガ銀行は同じく似たようなビジネスモデルを持った取引先であるサクトインベスターズという会社の破綻をきっかけに、シェアハウス融資を規制しました。
その結果、建てまくったかぼちゃの馬車を売ることが出来なくなり、キックバックでサブリースの賃料をねん出するというサイクルが成り立たなくなってしまい家賃の保証が出来なくなった、といった具合です。

サブリースの賃料保証がなくなっても、すぐに管理会社を変更したり土地建物を売却すればいいかというとそれも出来ないようです。
土地建物はサブリースでの保証を上乗せした金額で購入しているために相場よりかなり高額で、売却するとなるとかなりの値下がりになってしまいます。

サブリース管理会社の変更も、もし会社が見つかったとしても空室率の改善のためにかなりの賃料減と保証額減になってしまいます。
当然ローンも残っていますから他の銀行で融資を受けることができません。
サラリーマンだけでなく税理士や社労士などの士業の方も被害にあっていますが、士業の場合は自己破産すると資格が取り消しになるために迷っている方も多いようです。

相続税法の改正により、節税対策として家賃保証で賃貸経営をしませんかという営業が増えているようですが、家賃の保証は絶対の約束ではなく、減額請求されても法的に勝てないということはぜひ知っておく必要があると思います。
サブリース業者自体が悪いわけではありませんが、悪徳な業者にはくれぐれもお気を付けください。

何かサイトの趣旨が変わっておりますが、参考になれば。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です