賃貸記事

リビンマッチ:外国人の賃貸事情

ここ十年ほどで日本に住む外国人は急増しています。
たとえ身の周りにはいなくとも、街に出るとそのことを実感する方も多いかと思います。

日本人の人口は減少の一途をたどっていますが、それに反するように新築のマンションは依然建て続けられています。
これからの時代は日本に来た外国人に対して部屋を貸すことを考えることも、空室対策のひとつになるかもしれません。
いっぽう現実問題として、外国人が日本で賃貸物件を借りるのはかなり大変なようです。

もしそういった外国人の方を自分の管理する物件に引き入れることが簡単にできたら、空室に困ることも少なくなるでしょう。
しかし、実際はトラブルが起きやすいという噂を恐れてそんな危ない橋は渡れない、外国人入居者は敬遠してしまう、といった方もいらっしゃるのが現状かと思います。

今回は賃貸で外国人に部屋を貸すことについてまとめてみました。

外国人の賃貸状況

一般的に外国人に部屋を貸すことが困難だと思われている理由のひとつに「文化の違い」が挙げられます。
例えば日本で賃貸契約を結ぶときには礼金を支払うこともあるかと思います。

近年は礼金なしの物件も増えてきてはいますが、普通日本では礼金に対して特別な違和感はありません。
しかしながら外国の方にとっては礼金というシステムに馴染みがないために、なかなかスムースに理解してもらうことが難しい場合があります。

余計に多くのお金を請求されて、貸主側が「騙している」ととってしまう人も中にはいらっしゃるかもしれません。
そして「保証人」という制度も外国では珍しいようで、この保証人は外国人にとって独力で探すことは大変難しく、外国人との賃貸契約において障壁となっている部分と言えます。

また日本と外国ではゴミ捨てのルールがかなり違っていて、日本のゴミの分別はとても細かく複雑なためにうまく出来ない、という事例もよく聞く話ではあります。
まだまだたくさんの例があると思いますが、こういった文化の違いがもたらすトラブルの恐れが、賃貸経営者に外国人への貸し出しを躊躇させている一因であると思われます。

もうひとつには、借主と充分なコミュニケーションがとれないという点です。
上のような文化の違いに関しても、日本人同士のようにコミュニケーションをとることができれば、文化やルールの違いについて説明をして理解してもらうことができます。
しかし使っている母国語が異なる以上、完全に理解してもらうことは難しく、日本語のほか仮に英語を使うとしても、日本人側も英語に堪能でなければなりません。
つまり充分なコミュニケーションをとることは難しいと言わざるを得ません。

次に外国人が賃貸物件に暮らした際によく起こる、代表的ともいえるトラブルを挙げてみます。
まずはゴミ出しに関するトラブルです。

先程も述べましたが、日本のゴミ出しは外国に比べてかなり細かく複雑です。
日本人でも迷うことがあるのに、日本に来て日の浅い外国人にそれを求めるのは酷ともいえます。
しかしそのままにしておく訳にもいきませんので、チラシでの説明だけでなく場合によっては分別の講習をしてでも覚えてもらう必要があります。

また分別だけでなくゴミを出す曜日と時間を守らないケースもあります。
日本人は良くも悪くも周りに合わせて行動する人が大半ですので、ゴミ出しのタイミングも周りに合わせます。

しかし外国ではそのような文化はまずありませんので、ゴミ出しのタイミングが分からなければ自分のタイミングで出します。
その結果、ゴミの収集日まで放置されるという結果になりますので、ゴミの散乱や悪臭のトラブルを招きかねません。
こういった問題の対応も、しっかりと説明して理解してもらう以外にありません。
もしくは費用が掛かりますが、ゴミの集積所をアパート専用で作り、いつでもゴミ出し出来るようにするのもひとつの対策になるかと思います。

次によくあるトラブルが騒音問題です。
日本人は外国とくらべて比較的狭い土地に密集して暮らしています。
都心ともなればそれはなおさらで、他人同士が集まった賃貸物件であれば自分の生活音にも気を配ります。
ですから外国人にとっては普通の生活音でも、日本人にとっては立派な騒音となる場合が多々あるようで、トラブルに発展することもしばしばあるようです。

外国人のなかには木造家屋に住んだことがない方もいたりして、経験がないから分からないのです。
しかし本人にとって騒がしくしている自覚はない場合も多く、注意をしても効果がないことがあります。
よく「友人を呼んで夜遅くに騒がない」「音楽を大音量で流さない」という注意を耳にしますが、もっと具体的にする必要があると思います。

「夜遅く」ではなく「21時以降」とはっきり時間を決めたり、「大音量」を実際に聞かせて「この位の音量」というのを確認したりと、より具体的に丁寧に説明することで日本のマナーを理解してもらいます。

日本ではガス・電気・水道の開設を自分で手配することになっていたり、契約で申し込んだ人数以上で居住してはならないといったことなど、外国人にとっては理解に苦しむ決まりが他にもたくさんあり、それらが原因となってトラブルが起きる恐れは確かにあります。
しかしトラブルが起こる際のパターンは大別すると2つしかなく、ひとつは「本人の人格」、もうひとつは「知らなかった」という理由だけです。

本人の人格に起因するようなトラブルはどうしようもありませんが、ただ単に知らなかったことで起こるトラブルは、丁寧に説明して理解してもらえれば解決できます。
文化や言葉の違いがあって、説明するにはより具体性と丁寧さが必要なので骨が折れますが、分かってさえもらえればトラブルは解決するようです。

そしてそういったコミュニケーションで親密な関係を外国人入居者と築いておくのも苦労ばかりではありません。
外国人の入居希望者というのは、物件探しの現場において優先順位は低く扱われてしまいます。
成約率の低い外国人の入居希望者を相手にするよりも、日本人の希望者を案内したほうが効率的と考えられてしまうからです。

そういった弱い立場の外国人の入居希望者に丁寧に対応してあげるだけで、かなり相手の満足度は上がり信頼を勝ち取れます。
信頼してもらえると他に選択肢があまりないので、必ず信頼したところに決めてくれます。

日本人の入居希望者であれば、どんなに丁寧に紹介しても最終的に裏切られることもあるかと思いますが、外国人の場合は違います。
外国人の特徴として、一度信頼してもらえると知人も紹介してくれる可能性もあります。
知人であれば先輩の入居者が日本の賃貸住宅のマナーも教えてくれるでしょう。

保証人の問題もありますが、今では外国人入居者の賃貸住宅保証サービスもあり、そういった来日外国人の味方である会社を利用することもひとつの手段として有効です。

今回はあくまで空室対策として外国人の賃貸入居者についてご紹介しましたが、将来的に働き手の不足するこの国には、政策として多くの外国人が労働者として流入してくることになるかもしれません。
その時には前述した日本の常識が世界の非常識となることもあろうかと思いますが、今のうちに外国人入居者に慣れておくことも賃貸管理として有益かもしれません。

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