賃貸記事

Mr.リビンマッチが解説する「家賃保証会社の利用」

「Mr.リビンマッチ(旧スマイスター)が解説するリビンマッチ(旧スマイスター)・賃貸管理」今回は「家賃保証会社の利用」です。

近年、核家族化が進み血縁関係のつながりが弱くなったことによって、親類縁者に対して賃貸借契約に必要な連帯保証人を頼むことは困難になりつつあります。

また、身寄りのない高齢者や独り住まいの世帯にとっても連帯保証人を探すことは難しく、こういった社会状況から家賃保証会社の利用が徐々に増えてきているようです。

特に、リーマンショック後の失業者の増加やそれに伴う家賃滞納者の急増で、家賃保証会社はその数を伸ばしてきました。
そういった背景から、賃貸物件を借りる際に入居希望者が連帯保証人を用意できなかったり、収入に不安があるといった場合には、家賃保証会社を利用するケースが増えてきています。

また最近では入居希望者に家賃保証会社への加入を義務付けている賃貸物件もあるようです。
貸主としては、賃料が保証されることは大変喜ばしいことですが、果たして良いことばかりなのでしょうか。
どのようなサービスなのか、家賃保証会社を利用するメリットやデメリットについて考えてみたいと思います。

家賃保証会社とは

家賃保証会社とは、借主が家賃の支払いを延滞したときに、貸主に対して立て替え払いをしてくれる、貸主からすると大変ありがたい会社です。

保証人の代わりに借主の家賃支払いを連帯保証し、その対価として契約者となる借主本人から保証料を受け取ります。
利用の契機として、借主が連帯保証人代わりに利用することもあれば、不動産会社が指定する家賃保証会社に加入しなければならない場合もあります。

保証料の相場は一般的に、初回契約時には、借りることとなる物件の月額賃料など合計した額の約30%~100%、更新時には更新保証料として月額賃料など合計した額の約10%、もしくは1万円程度となっています。

月額賃料は物件によって金額に相当の開きがありますので、20万円を超えるような高額賃貸物件の場合には比較的低率で30%程度となり、逆に1Kや1Rのように一人暮らし向けの賃貸では100%となったりと、物件によって保証料は変わってきます。
また家賃保証会社とはいえ無審査で家賃を保証してくれるわけではありませんので、審査用の書類が必要となりますが、入居審査の際に提出している書類と重複している場合は改めて用意する必要はありません。

家賃保証会社の役割は、家賃滞納の保証を当然メインとしています。
借主である契約者が家賃を滞納した場合に、速やかに貸主に対して家賃の立て替えを行います。

さらに貸主の代わりに家賃保証会社が間に立って、毎月の家賃を借主から回収する賃料回収の代行も行います。
また、家賃保証会社が回収を行ったにもかかわらず、家賃の不払いが継続し訴訟にまで発展した際には、訴訟費用の負担も行います。
そして借主が退去した後に、次の入居者に貸し出すために部屋を原状回復するための費用も家賃保証会社が負担します。

ここで家賃保証会社を利用するメリット・デメリットを「借主」の側から考えてみます。
まずメリットとして連帯保証人をつけることができないときに保証対応してもらえるという点が挙げられます。
親類縁者や友人・知人に連帯保証人を依頼できない場合や、高齢者や外国から来た方など、連帯保証人を立てられない場合にも、家賃保証会社を利用すれば入居審査に通りやすくなります。

また、家賃保証会社に間に立ってもらうことで、家賃の支払いに関しての信用度が上がるため、アルバイトや水商売の職に就いている方も同様に入居審査に通りやすくなる場合があると言われています。
そして家賃保証会社に加入することで、敷金が減るという場合もあります。
家賃保証会社の持つ役割としては上述の通り、一般的に原状回復に要する費用なども保証しますので、余計な敷金を預ける必要はなくなり、初期費用が抑えられます。

逆にデメリットとしては、保証料という負担が追加で必要になる点があります。
物件契約時に敷金は下がるかもしれませんが、家賃保証会社への支払いが別途必要になります。
保証契約の更新時には、初回契約時よりも金額は下がりますが、更新保証料も支払う必要があります。

また借主側が家賃保証会社を選べない場合があることもデメリットです。
賃貸物件によっては利用できる家賃保証会社が最初から決まっていることは多々あるようです。
過去に同じ家賃保証会社に対して滞納していた方は、審査に通らず契約できません。

このようなケースでは借主側から家賃保証会社を変更することもできませんので、その賃貸物件を借りることはできなくなってしまいます。
そして家賃保証会社の役割には、借主が家賃滞納を起こした場合の回収代行もありますので、一般的な貸主側からの督促と比べて、回収対応は厳しいものになりがちです。

ひと月でも滞納を起こせば即電話がかかってきますし、1~2ヶ月程度の滞納で訴訟の内容証明が送られてくるケースもあるそうです。
家賃滞納を起こした借主を無理やり追い出して、ニュースになったことも以前問題になりました。

ここでひとつ、家賃保証会社について利用前に知っておくべき事実として、連帯保証人をきちんと立てられるにもかかわらず、家賃保証会社の利用を義務付ける賃貸物件というものが存在します。

その背景として、家賃保証会社から賃貸仲介会社への一定手数料やキックバック(謝礼)が支払われているというケースが考えられます。
また家賃保証会社は、保証として貸主に立て替えた滞納家賃を回収できなかった際、その穴埋めとして多くの「絶対に滞納しそうにない優良な借主」からも保証料を徴収したいという思惑があります。

さらに賃貸仲介会社の関連会社が保証業務をしていて、自動的にその家賃保証会社を利用しなければならない場合もあります。
こうなってくるとメリットかデメリットかは不明ですが、考え方によっては本来の連帯保証人の代わりという位置づけからは離れているとも言えます。

ですから、賃貸契約の前に家賃保証会社との契約の自由度がどうなっているのか確認しておくことが必要となります。

家賃保証会社の追い出し行為が問題になった際には規制案が出ましたが、規制することが家賃滞納を助長するとの反発もあって実現しませんでした。

このように家賃保証会社は借主側からするとデメリットもあるようですが、貸主側からすると家賃が保証されることや、原状回復の費用負担を負ってくれることは大きなメリットとなります。
今後法規制は進んでいくと思われますが、連帯保証人に変わる新しい時代の制度として徐々に定着していくと思われます。

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